「夜勤込みで月28万くらいもらってるけど、これって普通なのか?」
「夜勤手当の中身って、実際どうなってるんだろう…」
「夜勤を減らしたら、月の手取りはいくら下がるんだ?」
この記事で、その疑問に答えを出す。
先に結論を言っておく。看護師の夜勤込みの給料は、表面の額ではなく中身で判断しろ。基本給・夜勤手当・深夜割増賃金・その他手当。この4つを分解できるかどうかで、自分の働き方の評価が変わる。
私は急性期病棟で17年間夜勤を続けて、配置換えで日勤のみの部署に移った。夜勤を辞めた瞬間、初めて「自分の本当の手取り」を知って愕然とした。あの時の感覚は今でも忘れない。
この記事では、夜勤込み給料の平均額、月給の中身を分解する手順、夜勤手当と深夜割増賃金の違い、夜勤を減らした場合の月給シミュレーション、そして固定費の見直しで夜勤手当分を相殺する方法まで、私の経験と公的データをもとに話す。
読み終わる頃には、自分の給与明細をどう読めばいいかが見えるはずだ。
看護師の夜勤込み給料の平均は「月◯万円」で結論
結論から言う。夜勤ありの看護師の平均月給は、額面で約34万円前後。手取りに直すと26〜28万円のゾーンに収まる人が多い。ただし、この「平均」を鵜呑みにするな。中身の構成次第で、同じ月給でも価値はまるで違う。
夜勤あり看護師の月給・手取りの目安
厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によれば、看護師(女性・正規雇用)のきまって支給する現金給与額は月35万円前後。男性も含めた全体でも34万円台で推移している。
ここに賞与を足した年収ベースで約500万円というのが、夜勤ありの正看護師のおおよその姿だ。
ただし額面と手取りは違う。社会保険料・所得税・住民税を引かれて、月額34万円なら手取りはざっくり26〜28万円のレンジに収まる。家族構成や扶養の有無で変わるが、ここを基準にしておけば大きく外さない。
【夜勤あり看護師の給料の目安(参考値)】
- 月給(額面):約33〜36万円
- 月給(手取り):約26〜28万円
- 年収(賞与込み):約480〜510万円
※ あくまで全国平均レベルの参考値。施設形態・地域・経験年数で大きくぶれる。
平均値で安心するな。中身の構成が問題だ
ここからが本題だ。月給34万円という同じ数字でも、中身の組み立てが違えば意味は全く別物になる。
たとえば、基本給28万円+夜勤手当6万円の人と、基本給22万円+夜勤手当12万円の人。どちらも月給34万円だ。だがボーナスは基本給ベースで計算されるから、賞与4ヶ月分なら前者は112万円、後者は88万円。
年収にして30万円弱の差がつく。退職金まで考えれば差はもっと広がる。
私はこの構造に20代の頃は全く気づいていなかった。月8〜10回の夜勤をこなして、給与明細に印字された金額を見て「結構もらってるな」と勝手に納得していた。同じ年齢の会社員の友人と給料の話になって、向こうのボーナスを聞いた時に初めて「あれ?」と思った。
夜勤手当で月給が膨らんでいるだけで、ボーナスを含めた年収ベースでは大して変わらない。基本給の薄さを夜勤手当でごまかしていたわけだ。気づいた時は、笑うしかなかった。
もこちゃんえっ…同じ月給34万円でも、そんなに差がつくんですか?



つくんだ。ボーナスも退職金も基本給ベース。夜勤手当はあくまで「身体を削った対価」であって、土台にはならない。土台が薄い家は、長期で見ると弱い。
つまり、夜勤込み給料を見るときに必要なのは「いくらか」ではなく「どう組み立てられているか」だ。次の章で、月給の中身を実際に解剖していく。
夜勤込み給料の「中身」を分解しろ|給与明細を解剖する
給与明細を最後にちゃんと見たのはいつだ? 振込額だけ確認して、紙はそのまま机の引き出しに突っ込んでないか。夜勤込みの月給は、4つの要素に分解すれば全部見える。
月給を構成する4つの要素
夜勤あり看護師の月給は、ざっくり以下の4つで構成される。
【夜勤込み月給の4要素】
- 基本給:毎月固定で支払われる土台の給料。ボーナス・退職金の計算根拠
- 夜勤手当:病院が任意で設定する、夜勤1回あたりに対する手当
- 深夜割増賃金:労働基準法で義務付けられた、22時〜翌5時の労働に対する25%以上の割増
- その他手当:資格手当・通勤手当・住宅手当・扶養手当など
モデルケースを1つ出す。月給額面28万円・夜勤月6回の看護師の場合、内訳はこんなイメージになる。
| 項目 | 金額(モデル) | 備考 |
|---|---|---|
| 基本給 | 21万円 | ボーナス算定の土台 |
| 夜勤手当 | 4万円 | 2交代月3回+3交代月2回の混合等 |
| 深夜割増賃金 | 2万円 | 22時〜5時の割増分 |
| その他手当 | 1万円 | 資格手当・通勤等 |
| 合計(額面) | 28万円 | 手取りは約22万円 |
あくまでモデルだが、自分の給与明細を開けば同じような構造になっているはずだ。問題は、これらが本当に別項目で分けて記載されているかどうか。ここを見落とすと、後で大きく損をする。
基本給が低いと、何が起きるか
まず押さえておけ。基本給はあらゆる「将来のお金」の土台になる。
ボーナスは基本給の◯ヶ月分という計算が一般的。基本給21万円で年間4ヶ月分なら賞与は84万円、基本給28万円なら112万円。同じ月給に見えても、年収にすれば30万円近い差がつく。
退職金も基本給連動が多いから、勤続年数が長くなるほど差は雪だるま式に膨らんでいく。残業代の単価も、もとを辿れば基本給ベースの時給で計算される。
私が新卒で入った急性期病院は、まさにこの「基本給が低めで夜勤手当で膨らませる」タイプだった。新卒の頃は給与明細の構造なんて気にもしていなかったから、月の手取り20万円台後半に「夜勤頑張ったから今月は多いな」とか言って満足していた。
同じ年齢の銀行員の同級生に「ボーナス1回100万超えた」と聞いたのは確か26歳の時。私のボーナスはその7割もなかった。夜勤手当で月給は同じくらいに見えても、ボーナスで土台の差が一気に出る。
あの時の悔しさを言葉にすると、まあ、笑い話のつもりで飲み屋で話せるようになったのは40を過ぎてからだ。
だから、給与明細を見るときは振込額だけじゃなく、基本給の欄をまず確認しろ。
同じ年齢・同じ経験年数の看護師の平均と比べて、自分の基本給が高いか低いか。それだけで自分の職場の「給料の土台の強さ」が見える。
夜勤手当と深夜割増賃金は別物だ
これだけは絶対に頭に入れておけ。夜勤手当と深夜割増賃金は、全く別物だ。
夜勤手当は、病院が任意で設定するもの。金額も基準も自由。病院によって1回5,000円のところもあれば、1回15,000円のところもある。法的な相場ルールはない。
一方、深夜割増賃金は労働基準法第37条で定められた、22時から翌5時までの労働に対する割増賃金。通常賃金の25%以上を支払うことが義務付けられている。これは「任意」ではなく「法律上の義務」だ。払わなければ違法になる。
問題は何か。この2つを「夜勤手当」として一括計上して支払う病院が、現実にある。給与明細に「夜勤手当 60,000円」と書いてあって、深夜割増の項目がない。一見、夜勤手当が6万円もらえているように見える。だが中身は「夜勤手当4万円+深夜割増2万円」を合算したものだったりする。
本当の意味での夜勤手当は4万円。深夜割増は法律で払って当然の金額だから、それを夜勤手当に混ぜているだけで、純粋な手当としては相場より安いケースがある。
私自身、転職サイトに登録して他の病院の求人を見始めた時に、初めてこの事実を知った。それまで自分の給与明細で「夜勤手当」と書かれた金額を見て、「私の病院は夜勤手当しっかり払ってくれてる方だな」と勝手に納得していた。
でもよく見たら深夜割増賃金込みの金額。本当の夜勤手当だけで見れば、相場よりかなり安かった。自分の給与明細を見直した日の夜、ロッカールームで明細を握りしめて天井を見上げた感覚は、今でも残っている。17年間、私は自分の労働を相場よりも安く売り続けていたわけだ。



つまり、給与明細に「夜勤手当」って書いてあっても、それが本物の夜勤手当とは限らないってことですか…?



そうだ。だから給与明細を見るときは、「深夜割増」「深夜手当」が別項目で書かれているかを必ず確認しろ。書かれていなければ、夜勤手当に込み込みで支払われている可能性が高い。
自分の給与明細を開いて確認する3つのポイント
今夜にでもできる。給与明細を引っ張り出して、3つだけ確認しろ。
「夜勤手当」「深夜手当」「深夜割増賃金」が分かれて記載されていればOK。一括で「夜勤手当」だけの場合、深夜割増込みの可能性が高い。事務に確認するか、就業規則の賃金規定を読め。
夜勤手当の合計 ÷ 夜勤回数 で1回あたりの単価が出る。2交代なら1万円〜1.5万円、3交代なら準夜4千円・深夜5千円が全国平均レベル。これより極端に低ければ、夜勤手当の薄い職場の可能性。
厚労省の賃金構造基本統計調査で、看護師の年齢別の所定内給与(基本給に近い数字)が出ている。自分の基本給と比べて、明らかに低ければ「夜勤手当で膨らませた月給」の典型。
3つの確認が終われば、自分の月給の中身がほぼ見える。ここまでやって「自分の給料の正体」を知っているかどうかで、これから先の働き方の選択肢の幅が変わる。
夜勤手当の相場と「自分の手当」を比べてみろ
給与明細の中身が見えたら、次は相場と比べる作業だ。相場を知らずに「自分の手当は妥当か」を判断するのは不可能。まずは全国平均を頭に入れろ。
夜勤手当の全国相場(2交代・3交代別)
日本看護協会の「病院看護実態調査」によれば、夜勤手当1回あたりの平均はおおむね以下のゾーンに収まる。
| 勤務形態 | 夜勤1回あたりの平均 | 備考 |
|---|---|---|
| 2交代制(夜勤16時間) | 約11,000円 | 深夜割増込みの病院も含む |
| 3交代制(準夜勤) | 約4,200円 | 16時〜0時前後 |
| 3交代制(深夜勤) | 約5,100円 | 0時〜8時前後 |
あくまで全国平均。地域差・施設形態差が大きいので、自分の手当が「この数字±20%」のレンジに収まっていれば普通、明らかに下回っていれば安い側、と判断できる。
自分の夜勤1回あたりの単価を時給換算してみろ
これは1回やってみると、地味にショックが大きい。夜勤手当を、夜勤の拘束時間で割って時給換算する。
2交代16時間拘束で夜勤手当1.1万円なら、夜勤手当部分の時給は約690円。もちろん基本給ベースの時給は別途乗っているから、これだけで働いているわけじゃない。でも「夜勤を頑張った対価」として上乗せされている部分の薄さが、数字で見えてくる。
3交代の深夜勤8時間で夜勤手当5,000円なら、手当部分の時給は約625円。深夜2時のナースコールを走って取りに行って、急変対応で30分立ちっぱなしになって、汗だくでステーションに戻る。
あの30分の労力に対する「手当」の上乗せ分が、コンビニのバイト時給以下というのは、なかなか重い事実だ。



誤解するな。夜勤手当が時給換算で安いことを責めてるんじゃない。「自分の労働がいくらで売られているか」を一度数字で確かめてみろ、と言っているだけだ。
同じ夜勤回数でも、職場で月数万円違う
夜勤手当の単価は、病院規模・地域・施設形態で大きく変わる。同じ月8回の夜勤をやっていても、職場が違えば月の手当合計で3〜4万円差がつくのは普通だ。
たとえば、2交代の夜勤手当が1回8,000円の病院と1回13,000円の病院。月5回の夜勤なら、月の手当差は25,000円。年間にすれば30万円。同じ拘束時間・同じ業務内容でこれだけ差がつく。
これは「動け」と言いたいわけじゃない。「そういう差が存在する」という事実を頭に入れておけ、という話だ。動くかどうかは別問題。
ただ、相場より明らかに安いと知った状態と、知らない状態では、その後の働き方への向き合い方が変わる。
2交代と3交代、夜勤の給料効率はどっちがいいか
「2交代の方が稼げる」と聞いたことがあるかもしれない。半分正しいが、半分は条件付きだ。給料効率は2交代の方が見かけ上は良いが、身体への負担を含めて考えると単純比較はできない。
2交代と3交代の給料構造の違い
| 項目 | 2交代 | 3交代 |
|---|---|---|
| 月の夜勤回数 | 平均5〜6回 | 平均8〜10回 |
| 1回の拘束時間 | 約16時間 | 約8時間 |
| 1回あたりの夜勤手当 | 約11,000円 | 準夜4,200円/深夜5,100円 |
| 月の夜勤手当合計(目安) | 5.5〜6.6万円 | 4.5〜5.5万円 |
| 仮眠 | 取れないことも多い | 基本取れない |
表だけ見れば、2交代の方が月の夜勤手当合計が高くなる傾向。だが、2交代は1回の拘束時間が長い分、身体への負担が一気に来る。
3交代は回数が多いが、1回あたりの長さは8時間程度。私はどちらも経験したが、それぞれの辛さの種類が違うとしか言いようがない。
3交代をやっていた時期は、月10回の夜勤で生活リズムが完全に崩壊した。週の真ん中で日勤→深夜→日勤みたいなシフトに入ると、自分が今何曜日にいるのか本当にわからなくなる。
一方で2交代に切り替わってからは、夜勤の翌日は確実に休みになるので回復はしやすかった。ただし1回の夜勤の長さがエグい。
深夜2時にナースコール3つ同時に鳴った瞬間、頭の中が真っ白になった夜は今でも覚えている。
「2交代の方が稼げる」は条件付きで正しい
結論を整理する。月の夜勤手当合計だけ見れば2交代がやや有利。だが時給換算と身体への負荷を含めれば、3交代の方が消耗あたりの単価が高いケースもある。
そして大事なのは、どっちの形態でも深夜割増賃金が別項目で支払われているかを確認すること。
2交代で1回1.5万円の夜勤手当でも、深夜割増込みなら実質の夜勤手当は1万円前後ということがあり得る。形態の違いより、深夜割増の取り扱いの方がよほど重要だ。



つまり、2交代か3交代かで悩むより、まず深夜割増がちゃんと分けて払われてるかを見た方がいいってことですか?



それが先だ。形態の選択より、自分の給料の構造を理解する方が、給料の話としては10倍重い。
病院規模・地域・施設形態で夜勤の給料は変わる
同じ「看護師の夜勤」でも、勤める場所が違えば給料は別物だ。規模・地域・施設形態の3つの軸で、月給は数万円単位で動く。
病院規模別の夜勤手当の傾向
大規模病院(500床以上)は基本給が高めで、夜勤手当も比較的しっかり払われる傾向がある。大学病院は基本給が手厚い反面、夜勤手当の単価自体は中規模病院と大差ない場合もある。
中小規模病院は基本給が薄めで、夜勤手当も控えめなケースが目立つ。
ただし、これは傾向の話。実際には同じ規模の病院でも経営方針で大きく違う。
大規模だからといって必ず高給とは限らないし、中小でも夜勤手当が良い病院は存在する。
地域差は無視できない
都市部の方が額面の給料は高い。東京・神奈川・大阪あたりは年収ベースで地方より50〜100万円高いこともある。ただし、家賃・物価を考えれば手元に残る金額は地方の方が多いケースもある。
額面だけで「都市部が得」と判断するのは早い。
地方でも、地域の中核病院や経営状態の良い医療法人なら、夜勤手当も含めて十分な給与水準を保っている。
生活コストと給与のバランスで見るのが正しい。
施設形態による違い
急性期病院は夜勤の業務密度が濃いが、その分手当も比較的高い傾向。
療養型病院・介護老人保健施設は夜勤手当の単価が安めだが、業務負荷も急性期に比べれば軽い。クリニックは原則夜勤なし。
「夜勤手当が安い」だけで判断するな。業務負荷と手当のバランスを見ろ。
療養型で夜勤手当が安くても、ナースコールが鳴る回数も急変対応も急性期より少ないなら、消耗あたりの単価で見れば悪くないこともある。
夜勤手当がなくなったら、月給はいくらになるか
これは絶対に1回やってみてほしい計算だ。自分の月給から夜勤手当と深夜割増を引いた「素の月給」を出してみる。やったことがある看護師は、ほとんどいない。
夜勤手当を引いた「素の月給」を計算してみろ
さっきのモデルケースで言えば、月給28万円から夜勤手当4万円と深夜割増2万円を引くと、素の月給は22万円。額面ベースだ。手取りに直せば、17〜18万円のレンジに収まる。
私は配置換えで夜勤のない部署に移った時に、これを身をもって体験した。それまで月の手取り26〜28万円で回していた生活が、配置換え翌月の振込で17万円台に落ちた。
給与明細を開いた瞬間、ロッカーの前で固まった。「こんなに少なかったのか」というのが、その時の正直な感想だ。17年間、私は自分の本当の手取りを知らずに生活していた。
夜勤手当という「身体を削ったオプション収入」を、ベース収入だと勘違いしていたわけだ。
最初の数ヶ月は貯金を切り崩しながら凌いだ。あのまま何の対策もしなかったら、生活は確実に詰んでいた。だが、ここから先で説明する「固定費の見直し」を始めて、半年ほどでまた生活が回り出した。今となっては、夜勤手当ゼロの月給で安定して暮らせている。



夜勤手当がなくなって、最初の月の明細を見たときの気持ち、想像するだけで怖いです…



怖かった。だが、怖いのは「いきなり減る」場合だ。事前に計算して、固定費を整えておけば、ショックは半分以下になる。だからまず計算しろ、と言っている。
その「素の月給」が、あなたの本当の評価額だ
厳しい言い方をするぞ。夜勤手当を抜いた素の月給が、看護師としてのあなたのスキル・経験に対する職場の評価額だ。
夜勤手当は、身体を削って深夜帯に労働した対価。「身体を24時間自由に使われる権利」をお金で買ってもらっているとも言える。スキルや経験への評価ではない。
素の月給を見て、「ああ、自分のスキルはこれくらいに評価されているんだな」と納得できるか。それとも「これは安すぎないか」と思うか。
その感覚が、これからの働き方を考える時の出発点になる。今すぐ動く必要はない。ただ、自分の労働の正味の評価額を知っておくだけで、いざ動く時の判断軸ができる。
夜勤手当4〜6万円の重さを正しく見積もる
月4〜6万円の夜勤手当。年間にすれば48〜72万円。これが消えると痛い、というのは事実だ。
ただし「絶対に乗り越えられない金額」かと言えば、そうではない。
月4〜6万円という金額を、別のルートでカバーできるなら、夜勤手当への依存は減らせる。
そのルートのうち、看護師にとって最も再現性が高いのが固定費の見直しだ。次の章で具体的に話す。
夜勤手当に頼らない月給設計|固定費で相殺する
結論から言う。固定費の見直しだけで、夜勤手当4〜6万円分はカバーできる。私自身が実証済みだ。
結論|固定費の見直しで夜勤手当分はカバーできる
私が日勤専従に移ってから1年で実現した節約額は、年間50万円。月にすれば4万円超。これは、夜勤手当1〜2人分に相当する。
やったことはたった3つだけだ。スマホ・保険・電気代の見直し。それぞれの会社を変えただけで、生活レベルは何も落とさず、月の支出が4万円浮いた。
正直に言うと、最初は半信半疑だった。「固定費見直しで月4万円浮く」みたいな話は世間にあふれているが、自分の生活で本当に起きるかどうかは別問題だ。だが、1つずつ手をつけてみると、地味に積み上がっていった。
1年たって振り返ったら「あれ、夜勤手当ゼロでも生活回ってるな」と気づいた。夜勤手当に頼らないと生活できない、というのは思い込みだったわけだ。
まず見直すべき3つの固定費
【固定費見直しの優先順位TOP3】
- スマホ代:大手キャリア(月7,000〜1万円)→ 格安SIM(月2,000〜3,000円)で月5,000〜7,000円浮く
- 保険料:医療保険・生命保険の見直しで月5,000〜1.5万円浮くケースあり
- 電気代:電力会社の切り替え・契約アンペアの見直しで月2,000〜5,000円浮く
3つ全部やれば、月の支出が1.2〜2.7万円浮く計算になる。年間で14〜32万円。これだけで夜勤手当の半分以上をカバーできる人もいる。
さらに通信費(自宅のネット回線)、サブスク(使ってない動画配信、ジム会員等)まで含めれば、月4万円のラインは現実的に届く。
注意点を1つ。医療保険の見直しは慎重にやれ。家族構成・健康状態・既存の貯蓄で最適解が変わる。
ネット記事の「保険は不要」を鵜呑みにせず、自分の生活設計と照らし合わせて判断するか、独立系のファイナンシャルプランナーに相談するのが安全だ。
「夜勤を増やす」より「固定費を減らす」方が再現性が高い
夜勤を1回増やせば、確かに月給は1万円前後増える。だがその対価として、身体への負荷も比例して増える。3年後・5年後の自分の身体を考えれば、コストはお金以上に重い。
固定費の見直しは違う。一度やれば、その効果は翌月以降もずっと続く。
スマホを格安SIMに変えれば、来月も再来月も月5,000円浮き続ける。再現性が圧倒的に高い。「働いて稼ぐ」より「漏れている支出を止める」方が、看護師の働き方には合っている。



これは断言する。夜勤を1回増やすエネルギーがあるなら、その時間で格安SIMの比較サイトを開け。月の収益のインパクトは、後者の方が確実にデカい。
給料の中身を知った上で、これからどうするか
ここまで読んで、何かしらの数字が頭に浮かんでいるはずだ。大事なのは、明日いきなり動くことじゃない。「自分の給料の正体を知った」状態で日常に戻ること。
まずやることは「給与明細を開く」だけ
行動コストはゼロだ。今夜、家に帰ったら給与明細を引っ張り出せ。スマホで撮ってもいい。
基本給・夜勤手当・深夜割増の3項目を確認する。それだけで今日の宿題は終わりだ。
もし「深夜割増」の項目が見当たらなかったら、就業規則の賃金規定を見るか、事務に「深夜割増賃金は別途支払われていますか」と聞いてみろ。これは権利として確認していい話だ。
次にやるなら「固定費の棚卸し」
給与明細の確認が終わったら、次の週末にでも固定費を紙に書き出してみろ。スマホ・保険・電気代・ネット・サブスク。
月いくら払っているかを全部書く。書いてみるだけで、削れる項目が見えてくる。
いきなり全部見直す必要はない。1つだけ着手すればいい。一番ラクなのはスマホ代の格安SIMへの切り替えだ。MNPで番号も変わらない。
所要時間1〜2時間で、月の支出が5,000円以上浮く。時給換算したら、夜勤手当より割がいい。
それでも「動く」気になったら、相場を調べる選択肢もある
この記事で「自分の手当が相場より低いかも」と感じたなら、他の病院の条件を覗いてみる選択肢もある。動く・動かないは別問題。情報を集めるだけでも、自分のポジションがわかる。
看護師向けの転職サイトに登録すれば、他の病院の基本給・夜勤手当・福利厚生の条件を比較できる。登録自体は無料で、即座に転職を勧められるわけでもない。
私自身、転職目的というより最初は情報収集のために登録した。その過程で「夜勤手当の病院間格差がここまで大きいのか」と知った。
ただし、これも今すぐやれという話ではない。給与明細の確認 → 固定費の棚卸し → 余裕があれば情報収集、の順で十分だ。焦って動く必要はどこにもない。



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そんなことはない。私も登録して結局見送った時期がある。情報を集めて、自分の中で比べて、そのまま動かない選択も普通にある。むしろ「動かない判断」も、相場を知った上でする方が納得感がデカい。
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転職を考え始めたら早めに登録しておく
「そろそろ転職しようかな」と思った時点で登録しておくのが正解だ。
退職ギリギリになってから慌てて登録すると、面談も求人紹介もバタバタで進むことになる。比較検討する余裕なんてなくなるんだ。
その結果どうなるかって?「とりあえずここでいいか」って妥協して決めてしまう。で、入職してから「思ってた職場と全然違った…」ってなるパターンだ。俺はこれで後悔してる看護師を何人も見てきた。



でも、まだ転職するか決めてないのに登録していいんですか?



全然いい。登録したからって転職しなきゃいけないわけじゃないからな。求人を眺めるだけでも「今の職場って実は条件悪かったんだ」って気づけたりする。「いい求人が出たら動く」くらいの余裕を持っておけ。
登録は2〜3サイトがベスト
転職サイトは2〜3サイトに登録するのがちょうどいい。
1サイトだけだと、紹介される求人が偏ったり、担当者との相性が合わなかった時に逃げ場がなくなる。かといって多すぎると、このあと書くように面談だけで消耗する。
2〜3サイトに登録しておけば、求人の比較もできるし、担当者の対応も見比べられる。「このサイトの担当者はイマイチだけど、こっちは合うな」って判断できるようになるんだ。
登録後に聞き取り面談があることを知っておく
転職サイトに登録すると、担当者から電話やLINEで聞き取りの面談(ヒアリング)の連絡が来る。
「登録したらすぐ求人が届くんだろ?」って思ってる人が多いんだが、実際はまず希望条件とか転職理由の確認面談があって、そのうえで求人を紹介してもらう流れだ。
面談は1回あたり15〜30分くらいかかることが多い。事前に勤務地・給与・夜勤の有無・譲れない条件などの希望条件を整理しておくとサクッと終わるから、登録前にメモだけでも作っておけ。
登録しすぎると面談だけで時間が取られる
「たくさん登録した方が有利だろ」って思って4〜5サイト以上に登録すると、それぞれのサイトで面談が発生するから、面談だけで数時間ぶっ飛ぶ。
さらに、各サイトから電話・メール・LINEの連絡が一気に届くから、やり取りだけで疲弊する。本来の転職活動に集中できなくなったら本末転倒だろ?



まずは2〜3サイトで始めて、物足りなければ追加する。これが一番効率的なやり方だ。
担当者が合わないと感じたら遠慮なく交代してもらう
これ、言いにくいのはわかる。でも「この人とは合わないな」と感じたら、我慢せずに担当者の交代を申し出ろ。
交代をお願いするのは失礼なことじゃない。転職サイト側も担当者変更の対応には慣れてるから、気にする必要はまったくないんだ。
多くの転職サイトではLINEが連絡手段として使える。直接電話で言いにくかったら、LINEで「担当者を変更したいです」って送るだけでいい。それだけで済む話だ。
合わない担当者のまま進めると、希望と違う求人ばかり紹介されたり、転職のタイミングを逃す原因になる。少しでも「なんか違うな」と思ったら、早めに交代してもらうのがベストだ。



たしかに、合わない担当者に気を遣って我慢してたら、転職で失敗するのは自分ですもんね…



そういうことだ。担当者に遠慮して自分の人生を妥協するなんて、一番もったいないからな。
看護師の夜勤と給料に関するよくある質問
- 看護師の夜勤手当の平均はいくらですか?
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日本看護協会の調査ベースで、2交代制は1回約11,000円、3交代制は準夜勤4,200円・深夜勤5,100円が全国平均レベル。ただしこれは「深夜割増込み」の集計も含むので、純粋な夜勤手当ベースで見ればさらに低い職場もある。
- 夜勤手当に税金はかかりますか?
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かかる。夜勤手当は給与所得として課税対象。深夜割増賃金も同じ扱い。「夜勤手当だから非課税」というのは誤解だ。給与明細の課税対象額の中に含まれている。
- 夜勤を月10回やったら月給はいくらになりますか?
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2交代月10回なら夜勤手当だけで月11万円前後、3交代月10回(準夜・深夜混合)なら月4.5〜5万円程度が手当のベース。これに基本給と深夜割増を足した額が月給になる。ただし月10回は身体への負担が極端に重いので、給料だけで判断しない方がいい。
- 夜勤手当が深夜割増込みかどうかを確認する方法は?
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給与明細で「夜勤手当」「深夜手当」「深夜割増賃金」が別項目で記載されているかを確認する。一括で「夜勤手当」のみなら、就業規則の賃金規定を見る、または事務に「深夜割増は別途支払われていますか」と直接聞くのが確実。
- 夜勤を辞めると、ボーナスも下がりますか?
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原則としてボーナスは基本給ベースで計算されるので、夜勤の有無で大きく変わることは少ない。ただし「夜勤回数を評価項目に組み込んでいる病院」も一部にあるので、就業規則を確認した方が安全。年収全体では夜勤手当分が減るので、額面の年収は確実に下がる。
まとめ|夜勤込みの給料は「表面の額」より「中身」で判断しろ
夜勤込みの給料を見るときに大事なのは、振込額の大きさではなく中身の構成だ。基本給・夜勤手当・深夜割増賃金・その他手当の4要素に分解して、自分の労働の正味の評価額を知っておけ。
知らないまま夜勤を続けるのが一番もったいない。動くかどうかは別問題。まずは数字を握れ。
最後にこの記事のおさらいだ。
- 夜勤あり看護師の月給は額面33〜36万円、手取り26〜28万円が目安
- 同じ月給でも、基本給が低いとボーナス・退職金で大きく差がつく
- 夜勤手当と深夜割増賃金は別物。混同して支払う病院があるので給与明細で確認しろ
- 夜勤手当の全国相場は2交代1.1万円、3交代準夜4,200円・深夜5,100円
- 夜勤手当を引いた「素の月給」が、看護師としてのあなたの正味の評価額
- 夜勤手当分は固定費(スマホ・保険・電気代)の見直しで月4万円程度カバーできる
- まずは今夜、給与明細を開く。それが第一歩



動くか動かないかは、後で決めればいい。まずは数字を知れ。私みたいに17年間、自分の給料の中身を知らないまま走り続けるのは、もったいなさすぎる。



